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「表から見えない細部までこだわりを持つ」それが私の大切にしていることです。
当院では、難しい症例の場合には、歯科医師が独断で診断を行うのではなく、スタッフが意見を出し合い、検討するようにしています。それによって、単純な見落としを防げるほか、診断の幅が広がります。少し時間はかかりますが、患者さまにより良い治療をご提供するために大切なことだと考えています。
また、診療環境の質を左右する部分に関しては、表から見えないところにもこだわっています。例えば、粉じんなどを吸い込んだ空気を患者さまが吸い込むことがないように、そういった設備を設置する部屋を分けています。滅菌や消毒はもちろん、患者さまへの治療を清潔な環境で行うことに力を入れています。
最初に、「かわの歯科」のコンセプトについて教えてください。
当院の大きなコンセプトは「可能な限り分かりやすく丁寧な説明」「信頼関係の構築」「痛みが少ない・怖くない・楽しい・気持ちいい治療」の三つであり、それらを心がけて、日々診療を行っています。
まず「可能な限り分かりやすい、丁寧な説明」についてご説明します。診療に来られた患者さまには、最初に検査をし、お口の中のデータを採ります。それをもとに診断を行うのですが、その際、患者さまに分かりやすいように細かくかみ砕いて3パターンくらいの治療方法をご説明します。それと同時に、なぜそうなったかという原因についてもご説明します。治療のゴールは患者さまによってご希望が異なりますので、その方に合った方法で治療を進めることも大切にしています。
続いて、「信頼関係の構築」についてです。まず、大原則として、患者さまから同意を得ていないことはしないということを厳守しています。そのため、患者さまには治療に関してきちんと理解していただいた上で、同意をいただいています。しかしながら、いくら患者さまが希望されても、できない治療もあります。それは、私が結果の責任を取ることができない治療です。いい加減な対応はできませんので、「当院では責任が取れないので治療ができません」としっかりお話しし、ご了承いただいています。
最後に「痛みが少ない・怖くない・楽しい・気持ちいい治療」のための取り組みについてご説明します。気持ちが良い治療のためには、院内の環境が大切だと考えています。そのため、当院の診療室は広いスペースを取り、天井も高くしています。また、コミュニケーションを取りやすくする雰囲気作りにも努めています。治療を進めていくと、麻酔が必要な治療が減り、予防処置が多くなっていきます。それに伴って、患者さまにとっても気持ちの良い治療が増えていくはずです。面白おかしい仕組みで患者さまを楽しませるのではなく、純粋に治療を受けるのが次第に楽しくなるような診療をしていきたいと考えています。
“相談しやすい歯科医院”がポイントとのことですが、そのこだわりはどういったところに?
広くて天井の高い環境なので、圧迫感がなくリラックスしていただきやすいと思います。
病院という場所は、来るだけでも緊張する場所なのではないでしょうか。「あれも言っとけば良かったと、帰ってから思った」などという話もよく聞きます。歯科医院の役割は、患者さまが抱える不安やお悩みを全て受け止め、その上で適する治療法を提示することだと思います。そのため、コミュニケーションをしっかり取ることなどと同様に、相談しやすい環境作りをすることもとても重要だと考えています。
中でも、力をいれていらっしゃる”カウンセリング”はどういった手順で行われているのでしょうか?
まずは、患者さまの話を聞くことから始めます。続いてレントゲンを撮ったり、検査をしたりし、その検査結果を踏まえて総合的に診断します。この検査がカウンセリングの材料になります。
カウンセリングや患者さまとのコミュニケーションの時間を充実させると、別の話題から患者さまのお悩みや不安を知ることができたりと、患者さまの考えが一層理解できるようになります。そうすると、ますます患者さまの希望に添った治療計画を立てることができます。
カウンセリングは私ができることと患者さまのご希望のすりあわせをするための、大切な時間だと考えています。
治療では、”なるべく痛みのない治療”を大切にしているそうですが、どのように実現されているのでしょうか?
もちろん、なるべく痛みの少ない麻酔を心がけていますが、私は重度の虫歯などですでに痛い場合は痛みを全くなくすのは難しいと考えています。本当に痛みの少ない治療を行うには、痛くならないように予防することが大切です。そのため、定期検診を受けるようにしていただき、初期虫歯の段階で治療できるようにしたいと考えています。
かわの歯科では、スタッフさんが活躍すると伺いましたが、スタッフさんの活動や魅力について教えてください。
当院には、笑顔を自然に患者さまに向けられるスタッフが多いと思います。世間話ができるような気さくなスタッフが多いので、ぜひ話しかけてみてください。
また当院では、歯科技工士も含めてスタッフ全員で診断の会議を行っています。例えば、重度の虫歯で来院された患者さまについて、レントゲンを見ながらどのような治療が必要かと意見を出し合います。その結果がまとまってくると、全体像が見え、その治療を行うためには何が必要かが分かるのです。
治療を進めるうちに、予測していなかったことが起こると、再び症例検討をしています。みんなで意見を出し合い、協力して治療を進めていくのが当院の特徴です。
縦に広く開放的で明るい待合空間・診療室ですが、知っていただきたいイチオシのスペースはございますか?
院内のホールです。写真や診療ユニットの展示会、クラシックのライブを催すなど、貸しホールのように使ってもらっています。
滅菌対策にもかなり力をいれているそうですが、その取り組みについて詳しく教えてください。
滅菌・殺菌は当たり前ですが、その際に工夫していることがあります。それは滅菌したものとこれから滅菌するものが混ざらないように、スペースを分けて管理しているということです。また、滅菌器は高圧蒸気滅菌器を使用し、滅菌済みの器具は患者さまの前でパックを開封しています。
診療室内には、3種類の空気清浄機を使用しています。広い院内ですので、1種類では足りないと考え、このようにしました。また、お口に入る空気はバキューム機が吸った空気とは分離しています。これによって、吸い込んだ空気が再び口の中に出てくるという現象を避けることができます。このように、患者さまから見えない部分においても環境整備に力を入れています。
最後に、今後の展望について教えてください。
痛みの少ない治療を行うためにも、1本でも多くの歯を残すためにも、予防に注力していきたいですね。また、患者さまに不安なく治療を受けていただけるように、患者さまの同意・選択のもとで治療を進めることに関してはこれまで以上に力をいれていきたいと思っています。